李 英姿
中国電子音楽の受容と発展
欧米において発展した電子音楽が中国に流入したのは1980年代であり、日本に比べて時代遅れである。発展レベルが優れている国、すなわち日本の電子音楽も一緒に研究することが、中国電子音楽における今後の発展のためには必要不可欠である。そもそも日本は音楽以外の分野でも中国から多大な影響を受けており、更には多少融合している文化もあるので、日本の電子音楽を研究することが、中国電子音楽が日本や欧米の電子音楽のレベルに追いつくためには非常に重要なのである。中国電子音楽に関する研究を行うことによって、その在り方を日本の研究者や興味のある方に伝えることができ、また彼らに先行研究資料を提供することができる。
本論の構造や議論の流れを以下に示す。
中国電子音楽について詳細に分析を行うために、先ず第一章では、その発展経緯や変遷を初期に遡って見通すことになる。
第二章では、中国電子音楽の現状、とりわけ、その歴史的流れではなく、主に中国電子音楽の教育情況、すなわち、高等教育における電子音楽の位置づけ、科目の設定、教育者の育成、学科建設を検討する。
第三章では、先述の内容に踏まえて、中国電子音楽の発展が今後いかなる道を導出すのか、そしていかなる道を導き出すべきかを、教育発展、創作及び研究、世界への普及、消費者の電子音楽における要望などの点において分析し、中国電子音楽が存在する課題や問題点を見出す。そして最後に、中国電子音楽の未来を展望する。
第四章では筆者の中国電子音楽に対する考えを述べ、本論の締めくくりとする。
Li Yingzi
About the receptivity & development of Electronic Music in China
As we are aware, when compared to Japan, the history of electronic music in China is much later. As far as I’m concerned, it is quite necessary to further study the history of electronic music especially in developed countries, so as to improve the electronic music of our own country. Besides, due to the effect of Chinese, the Japanese also have characterized a lot. Thus, in order to catch up with the development of Japanese and European electronic music, I think it is also very essential to study the Japanese electronic music. By means of conducting research on electronic music in China, we will not only be able to introduce to Japanese researchers about the current situation of electronic music in China, but also can provide the previous research material to them.