東京藝術大学 大学院 音楽音響創造

要旨

中村 桃子
ライブ・エレクトロニクス・ミュージックにおける創作技法の変遷

ライブ・エレクトロニクス・ミュージックについて、まずは、ライブ・エレ クトロニクス・ミュージックの諸現状を知るために、その歴史を紐解く。

様々な作曲家によるライブ・エレクトロニクス・ミュージック作品は、いったいどのような手法(加工方法)が用いられ、またどのような目的でライブ・ エレクトロニクスという形態をとっているのか、そしてそれらの作品はそれより以前の作品からどのような影響を受けてきているのだろうか。順に時代を追 って考察していく。

更に、テクノロジーの発展によりコンピュータが出現すると、コンピュータ を利用した音楽作品が作られるようになる。このコンピュータの利用により、 ライブ・エレクトロニクス・ミュージック作品は、その創作の歴史の過程で、 更に大きな発展があった。

そこで、テクノロジーの発展に伴う技術の歴史的な変遷が、ライブ・エレク トロニクス・ミュージックの手法を変容させ、現在どのような状況を作っているかを検討することを目的とし、本論文の主旨とする。


NAKAMURA Momoko
TRANSITION OF CREATIVE TECHNIQUE IN
“LIVE ELECTRONICS MUSIC”

To know the present status of “Live Electronics Music,” firstly this essay covers the history of it

“Live Electronics Music” by various composers – how are they processed, on what purpose do they use the term “Live Electronics Music,” and what kind of inspiration do they get from work in the past – this essay studies these themes chronologically.

Furthermore, musical work using computers began to be made after the birth of it caused by technological development. This use of computer made those work develop even more in its history of creation.

What kind of inspiration does the transfiguration of process caused by technological development make on current “Live Electronics Music”? This would be the keystone of this essay and it focuses on this point and examines it.