東京藝術大学 大学院 音楽音響創造

要旨

山下優
然敏郎のバレエ音楽研究

黛敏郎は、管弦楽作品をはじめとするコンサート作品やオペラ、電子音楽、映画音楽など数々の作品を残し、日本を代表する作曲家の一人であるが、1950年代から生涯に渡りバレエ音楽にも携わっていた。禁が関わったバレエ作品の中でも、とくにモーリス・ベジャール振付、東京バレエ団により上演されている《BUGAKU》、《THEKABUKI》、《M》は、国内国外問わず評価が高く、数多く再演されている。さらに、継はベジャールだけなく、ジョージ・バランシンや、ミシェル・ディスコンベ等、世界的に有名な振付家のバレエ作品に関わっており、バレエ音楽に関しての活動は、国内外に渡っていた。

しかし、体に関しての研究は、同時代の作曲家に比べると少なく、ましてやバレエ音楽についての研究は存在しない。また、日本の作曲家によるバレエ音楽の研究もほとんどなされておらず、その実態は明らかにされていないのが実情である。

そこで本研究では、葉がバレエ音楽を創作した背景やバレエ作品がおかれた状況を調査し、楽譜から音楽を分析することで、襟に見られるバレエ音楽の創作技法を明らかにすることを目的とした。そうすることで、日本の作曲家によるバレエ音楽の実態の一端が明らかにできると考える。

本研究は3つの章と結論から構成されている。第1章では、20世紀のバレエ音楽について、海外と日本の場合に分け考察した。バレエ作品が作られる中で、音楽がいかに扱われているかを見ることで、バレエ音楽とはどのような音楽なのか、さらには日本ではどのようなバレエ音楽が展開されていたのかを明らかにし、葉と同時代のバレエ音楽のスタイルを整理した。

第2章では、熊のバレエ音楽の創作過程から、インプレッサリオや振付家との関係を考察し、実際にバレエ音楽がどのように創作されるのかを追った。また、黛が関わったバレエ作品がおかれた状況を詳しく見ることで、日本のバレエ音楽における燃作品の位置づけを考察し、さらに海外での評価を見ることで、食のバレエ音楽の作品背景を明らかにした。

第3章では、まずバレエ音楽特有の音楽の捉え方や、どのような音楽ならばバレエ音楽として成立するか、バレエ音楽に見られる音楽的要素を考察した。その上で、さらに第1章で見たバレエ音楽のスタイルや、第2章で明らかにした作品背景をふまえ、禁作品の楽譜を分析した。その結果、禁に見られるバレエ音楽の創作技法は、日本の伝統文化の音楽様式や日本の伝統楽器をバレエ音楽に取り入れたことであるとわかった。また、時代を追って楽譜を分析していくと作風の変化が見られ、窓のバレエ音楽における作風の変遷が明らかになった。

以上のことから、黛のバレエ音楽の背景や創作技法を明らかにすることで、日本の作曲家によるバレエ音楽の実態の一端が明らかにできた。


YAMASHITA Yu
A Study of the Ballet Music of Toshiro Mayuzumi.

Toshiro Mayuzumi composed many kinds of music including orchestral music, opera, and electronic music. He is one of the composers who is most representative of Japan. He also composed ballet music from the 1950s into his last years. Those ballets, including “Bugaku,” “The Kabuki,” and “M” were choreographed by Maurice Béjart. They are performed routinely by The Tokyo Ballet and are highly praised not only Japan but also overseas. In addition, Mayuzumi worked with Michel Descombey and George Balanchine. With Balanchine his activity in ballet music passed outside his home country.

But there are fewer studies of Mayuzumi than of other composers of the same period. In addition, there are no studies of his ballet music. Also, the study of ballet music by Japanese composers is limited. It is a fact that the actual circumstances of the music are not clear.

In this study, I make the background of Mayuzumi’s ballet music clear, and I analyze his music from scores. I clarify his original approach to ballet music. Therefore I make clear one Japanese composer’s actual practices regarding ballet music.

This study is comprised of three chapters and a conclusion. In chapter 1, in the case of foreign countries and Japan, I give an overview of the ballet music style of Mayuzumi and that common another countries at the same period.

In chapter 2, from the original process of the ballet music of Mayuzumi, I consider the relationships Mayuzumi had with impresarios and choreographers, and I show how his ballet music was created. I consider the position of Mayuzumi’s works in Japanese ballet music, and I also clarify the background of it by examining foreign evaluation of his music.

In chapter 3, I first consider musical factors to be seen in ballet music. With that in mind, I analyze the scores of his works. The original source of his ballet music was traditional Japanese musics and he used Japanese musical instruments in ballet music. And I also show the change of his style by over time, and analyze his scores.

From the above I was able to clarify the actual situation of ballet music by a Japanese composer.