東京藝術大学 音楽環境創造科

2021年度オンライン学科説明会Q&A

このQ&Aは、オンライン説明会当日の質疑応答と、事前、事後に寄せられた質問の概要をまとめたものです。

1.授業や履修について

Q. プロジェクト音響に所属しながら創作の授業を受けるなど、プロジェクトを跨いだ履修は可能でしょうか?
A. 複数のプロジェクトを同時受講することはできませんが、プロジェクト以外の授業は受講することができます。

Q. 授業を受ける為に必要な音楽技術や演奏技術(例えば声楽・器楽、音楽理論など)は何でしょうか?
A. 授業によって前提とする要件は異なりますので、シラバスや初回講義で確認することになります。

Q. 音楽環境創造科の学生は副科実技で何を専攻していますか?副科実技を決める際、希望が通りやすい専攻・通りにくい専攻はありますか?
A. ピアノ、ヴァイオリン、フルート、独唱、邦楽器など多くの副科実技を受講しています。人気のある楽器は抽選になりますが、毎年違うので一概にお答えできません

Q. 音楽環境創造科では民族音楽などさまざまな国の音楽を学ぶことができますか?
A. 「いわゆる西洋音楽」以外の音楽を扱う授業もありますし、邦楽などの副科実技もあります。

Q. 音楽に関する授業の他に、一般教養を学ぶことはありますか?
A. 一般教養科目の受講が卒業要件に含まれています。

Q. DTMについて学べますか?
A. DTMを用いた音楽制作の授業が開設されています。

Q. シンセサイザーやDAWを使った授業は具体的にどのようなことをするのでしょうか? また、オーケストレーションの授業はやっていますか?
A. 「サウンドシンセシス」ではシンセサイザーの構成や理論、シンセサイザーを用いた楽曲の分析を行っています。「器楽書法論」でオーケストレーションの基礎を学ぶことができます。また、他の授業で、DAWを使って録音・編集技術の理論を学ぶものもあります。

Q. 音楽環境創造科では「専門的な作曲」を学ぶことはできますか?また、作曲科と音楽環境創造科の違いを知りたいです。
A. 音楽環境創造科においても、専門的な作曲の勉強は可能です。作曲科の場合は、入学の時点で一定の音楽分野に特化した作曲能力を身に着けていることが前提となります。一方で音楽環境創造科では入学時には基礎的な音楽能力が必要となりますが、分野に特化した能力は求めていません。大学での学びや経験、また、学問的研究を通じて、将来的に自分の作曲したい音楽を模索していって欲しいと思います。

Q. 言葉と音楽、音の関係に興味があるのですが、言語や歌詞に関する授業はありますか?
A. 語学教員は言語と音楽の関わりを専門にしている方が多いので、そういった先生方の授業を受けると良いでしょう。

Q. プロジェクトや授業でのコンピュータの機種などの指定はありますか?
A. 特にありません。

Q. 録音技術を学ぶ際に扱うジャンルはどのようなものですか?クラシック、ポップス、器楽曲、声楽曲など、詳しく教えてください。
A. 様々なジャンルの音楽を扱っています。クラシック音楽が比較的多いですが、ポップスのバンド編成の録音もおこないます。

Q. 制作の際に工学系の知識が必要になった場合、学べる授業はありますか?
A. 「信号処理」「電子工作」「楽器音響学」など工学分野の授業もあります。また、「プロジェクト音響」では授業内で音響に必要な数学・物理を学びます。

Q. 他の学科や美術学部の授業を受けることは可能でしょうか?
A. カリキュラムで認められている一部の授業は受講可能です。美術学部開設科目ならびに芸術情報センター開設科目も卒業要件単位に含まれます。

Q. 音楽マネジメントを年間通して専門的に学ぶことはできますでしょうか?
A. 音楽マネジメントを学べる講義はあります。また、特にクラシック音楽のマネジメントを学びたい場合は対応できる教員がいます。

2.プロジェクトについて

Q. 私は将来、ゲーム音楽を作る仕事に就きたいと考えています。ゲーム音楽の作曲について学ぶとしたらやはり、プロジェクトは創作に入るべきでしょうか?
A. ゲームや映像など、音楽を伴った媒体は多々ありますが、メディアのいかんに関わらず、音楽を作る能力を付けたいというのであれば、プロジェクトは創作として所属するのが良いかと思います。

Q. 作曲にも音響にも興味があるのですが、所属プロジェクトは3年間同じでなくてはいけませんか?
A. 1年次から2年次に進級する際など、初期の段階でプロジェクトを変更することが認められており、実際に変更した学生もいます。

Q. 作曲のプロジェクトに所属するにあたって、事前に専門的な知識や技術は必要ですか?
A. 専門性の度合いによるので一概には回答できませんが、一例として作曲科と音楽環境創造科の過去問を比較してみてください。毎年12月に開催している千住ArtPathも参考になると思います。

Q. プロジェクト音響では、エフェクトプロセッサ等の制作や研究、評価を行うことは可能ですか?
A. 授業内でもできますし、実際にそのような研究を行なっている学生もいます。

Q. 特定のプロジェクトに希望者が集中して入れないといった可能性はありますか?
A. ありません。

3.学校生活について

Q. コロナ禍での大学の授業形態や、大学で普段大学生がやっていることを教えてください。
A. 緊急事態宣言発令中でも、レッスンをはじめとした対面の必要な授業は対面で行っています。学外で学生が何をしているかを細かく把握していませんが、アルバイトは減っていると聞いています。

Q. 入学後、個人的に使用できる施設はどんなものがありますか?また、上野の方の学部と関わる、交流することはできるのでしょうか?
A. 上野の学生と関わることは可能ですし、積極的に関わることを推奨します。施設は音楽演習室、スタジオ、コンピュータ室などが使用できます。

Q. 別分野の大学を卒業し社会人を経験した後に入学した人はいますか?
A. 過去に数名が入学しています。

Q. 土日に実習やイベント等が入ることは年間どの程度ありますか?
A. プロジェクトによって土日のイベント開催・参加日数は異なります。音楽環境創造科の行事としては12月のArt Pathと2月の卒業研究展があります。

4.留学や卒業後の進路について

Q. 私はアニメの音響制作の仕事をしたいと考えているのですが、音楽環境創造科から就職することは可能でしょうか?
A. アニメーションやゲームの音響制作の仕事についている卒業生が何人もいます。

Q. 舞台や映像の演出について興味があるのですが、そういった就職や、大学院映像研究科への進学例はありますか?
A. 舞台演出や映像制作を仕事にしている卒業生がいます。また、映像研究科への進学実績もあります。

Q. 留学を支援する制度などはありますか?
A. 留学を支援する奨学金があります。また、留学経験のある教員が多いので相談に乗ることができます。

Q. ​在学中の留学について、どのような例がありますか?
A. 語学留学などの例もありますが、近年では文部科学省の留学支援事業(トビタテ!留学JAPAN)で何人か留学しています。具体的には、音響振動と立体音響の研究、ニューヨークにおける多文化社会についての研究を行うための留学例があります。

5.入試について

Q. 今年度の共通テスト(一次試験)と二次試験の配点・科目に変更などはありますか?
A. ありません。詳細は入学者選抜要項をご確認ください。

Q. パフォーマンスでモニターは使えますか?
A. 一般的なテレビモニターがあります。また、会場にステレオ出力のスピーカーが1ペア用意されています。それ以外にご自分用のモニタースピーカーが必要でしたら、ご持参ください。

Q. 面接会場にプロジェクターは設置されていますか?
A. 入学者選抜要項でご確認ください。

Q. 面接での表現の際に、準備時間は発表時間に含まれますか?
A. 準備も時間に含まれます。

Q. 面接での表現の前に、控室で調弦などの音出しは可能でしょうか?
A. 可能です。

Q. 二次試験にはどのような勉強や対策をすればよいでしょうか?
A. 芸術・文化について幅広く興味や問題意識を持ち、関係する展示・演奏会・書籍などを通じて、自分なりの考え方を養って下さい。

Q. 創作のプロジェクトで学ぶ作曲と作曲科で学ぶ作曲との違いは何ですか?
A. 「どのような環境にあろうと、何か音楽作品を制作したければ、制作すれば良い」という意味では、創作のプロジェクトと作曲科の本質的な違いは無いと思います。一方、入学時の受験科目がかなり異なるという意味では、創作のプロジェクトは間口が広く、基礎的音楽能力があれば勉強が可能であるということ、「制作(作曲)」のみでなく、制作方法論や美学に関する研究が必要なこと、また、「現代アート・現代音楽」の範囲で、特定の傾向の制作能力に偏ることが無い、というのが違いと考えて頂いて差支えありません。

Q. 一次試験の音楽の記述試験について、範囲は音楽I・II・Ⅲ程度とありますが、入試ではより広い知識を問われるのでしょうか?
A. 音楽は、音楽だけで成立したわけではなく、芸術・文化から影響を受けるとともに、音楽からも影響を与えています。幅広く興味や関心を持ってください。

Q. 高校の文系・理系選択で理系を選択しているのですが、音楽を学ぶ上で問題ないでしょうか?
A. 問題ありません。

Q. 入試の二次試験の際、車イスでの入構は可能でしょうか?
A. 大学全体でバリアフリーを推進しているので、問題ないかと思います。試験の際には個別に対応するので、学生募集係までご相談ください。

Q. 入試の判定において、「調査書」はどの程度の割合を占めますか?
A. 合否判定における割合についてお答えすることはできません。最終合否判定では各試験科目および調査書を総合的に判断します。

Q. 入試の二次試験の際、過去の作品を映像として見ていただく事はパフォーマンスとして認められますか?
A. パフォーマンスやプレゼンとして認めます。

Q. 面接での表現の際に、試験監督の方にプレゼン資料をお渡しする事は可能ですか?
A. 資料を複数部用意し、事前に渡していただければ対応します。面接終了時にお返ししますので、試験時間内に見られる分量の資料が望ましいです。

Q. ​共通テストのリスニングとリーディングの配点の割合について、割合は決まっていますか?
A. センター試験の英語と同じ配点になるよう、筆記160点・リスニング40点に換算します。

Q. ​面接の表現の内容は、音楽に関係しているものでないといけないのでしょうか?
A. 必ずしも関係している必要はありません。アートマネジメントに興味がある学生が、企画をプレゼンした例もあります。

Q. ​外国人教育課程出身者の場合、日本語能力はどれくらい問われますか?
A. 日本語能力の試験は課していませんが、授業を受けられるくらいの日常的な会話レベルが求められます。能力に関しての明確な線引きはありません。

Q. ​作曲科と音楽環境創造科を併願することは可能ですか?
A. 併願はできません。

Q. ​​高校で音楽を履修していないのですが、受験は可能でしょうか?
A. 可能です。もし高校に音楽の先生がいるなら、相談してみてください。

Q. 受験の際、高卒認定試験だと不利になることはありますか?
A. ありません。

Q. ​試験の英語科目はTOEICのスコアや英検などで代替できますか?
A. 入学者選抜要項P.15をご確認ください。

Q. ​​受験の際、高卒認定試験だと不利になることはありますか?
A. ありません。

Q. 一次試験での足切りはないのでしょうか?
A. 入学者選抜要項をご確認ください。

6.その他

Q. 1週間の授業のおおよそのスケジュールを教えてください。
A. 大学では学生個人個人が受講する授業を決めるので、一概には言えません。ただ毎日複数コマの授業が入っている学生が多いようです。そのほかにも作品制作や研究などがあり、音楽環境創造科の学生は多忙だと思います。

Q. 音響に強い興味がありますが、大きな音が苦手です。そのような学生でも通えるでしょうか?
A. 大きな音に過敏なことは、音の研究を進める上で、支障はないと思います。授業で他の学生と一緒に音を聴く際に問題になるようであれば、個別に聴く環境を準備するなど、配慮します。