東京藝術大学 音楽環境創造科

専任教員

田村 文生 TAMURA Fumio

准教授/作曲

音の地平に、君は何を、そしてどう見てゆくか?・・・音の作られ方を見るか?音とその周辺にあるものとの関係を見るか?どちらにせよ、作品の研究や創作には欠かせない視点だと言えます。音楽作品を創作するには、知識・感覚・技術の総合的な能力が必要かと思いますが、学生達の皆さんには、常に広範な文化を視野に入れつつ、研究を進めて欲しいと思います。

東京藝術大学大学院およびGuildhall School of Music and Drama, London大学院修了。1995年から97年まで文化庁芸術家在外研修員としてイギリスにて研修。作曲を北村昭、近藤譲、松下功、R,サクストンの各氏に師事。これまでにVallentino Bucchi国際作曲コンクール(ローマ)、安宅賞、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞、朝日作曲賞、国立劇場作曲コンクール、ジェネシスオペラ作曲賞(イギリス)審査員特別賞などに入選・入賞。
作品は、アジア音楽祭、東京の夏音楽祭、Spitalfields音楽祭、The State of the Nation(ロンドン)、ISCM(香港)、国際現代芸術祭(オデッサ)、Festival Angelica(ボローニャ)、アジア作曲家協議会音楽祭(ソウル)2003、国際現代音楽協会(ISCM)世界音楽の日々(香港)、テグ国際現代音楽祭、Klangwerkstatt Berlin Festival für Neue Musik等など、各地で演奏されている。また、現代音楽演奏団体Ensemble Contemporary α代表として現代音楽の演奏会の企画制作にも携わっている。
日本作曲家協議会、日本電子音楽協会、日本音楽学会各会員。日本管楽芸術学会理事。

後藤 英 GOTO Suguru

准教授/作曲

作曲家、ニューメディア・アーティスト。国際的に評価されており世界活地で活躍。仏、英、独、日の4カ国語を巧みにこなし、新たなテクノロジーと関連させた斬新で刺激的な作品を世界中を発表している。作曲をアメリカ・ボストンのニューイングランド音楽院にて、アール・ブラウン、ロバート・コーガン、ルーカス・フォス、ドイツのベルリン芸術大学では、ディーター・シュネーベル、フランスではIRCAMにてトリスタン・ミュライユとブライアン・ファニーホウに学ぶ。フランス、IRCAMの招待作曲家、研究員、ボルドー芸術大学の准教授を経て、2017年の東京芸術大学に就任。1995年、マルティ・メディア・オペラ作品、”NADA”がベルリンのシャウルシュピール・ハウスにて演奏される。同年より、IRCAMにてコンピューター音楽を研鑽し、その後、研究員として、ジェスチュアル・インフォマティックの開発に携わる。2000年、東京フィルハーモニによりオーケストラ作品”ResonanceII”がオーチャード・ホールにて初演された。2003年、IRCAMのレゾナンスのフェスティバルでポンピドゥー・センターにてソロ・リサイタルを行い好評を得る。2006年、イギリスのAVフェスティバルより委嘱され、作品は話題となった。 2009年にはイタリア、第53回ヴェネツィアビエンナーレに招待された。著書に『Emprise〜現代音楽の系譜から、コンピューター・ミュージック、エレクトロニック・ミュージック、ニュー・メディア・アート、新たなパフォーマンスへの進化』(2016年、スタイルノート)がある。

http://gotolab.geidai.ac.jp

長島 確 NAGASHIMA Kaku

准教授/ドラマツルギー、上演芸術

専門はパフォーミングアーツにおけるドラマツルギー。舞台字幕や上演台本の翻訳から劇場の仕事に関わり始め、やがて演出家や振付家の創作のパートナーであるドラマトゥルクとしてさまざまな舞台芸術の現場に参加。劇場のアイデアやノウハウを劇場外に持ち出すことに興味をもち、アートプロジェクトにも積極的に関わってきた。東京芸術祭FTレーベルプログラムディレクター。著書に『アトレウス家の建て方』他。訳書にベケット『いざ最悪の方へ』、『新訳ベケット戯曲全集』監修・共訳)など。

毛利 嘉孝 MOURI Yoshitaka

教授/社会学、文化研究

音楽はそれだけで閉じられた領域ではありません。音楽が文学や批評、視覚芸術といった文化実践と関連しているのはもちろんですが、それはさらに政治や経済、社会などのほかの領域とも密接に絡み合っています。文化理論の研究や実証研究、社会調査、フィールドワークや実践的な活動を通じて、ポップ・カルチャーからハイ・カルチャーまでさまざまな領域の「文化」を読み解いていきたいと思います。

専門は社会学・文化研究。特にメディアや文化と政治の関係を考察している。京都大学経済学部卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ MA(メディア&コミュニケーションズ)、同PhD(社会学)。九州大学大学院助手・助教授を経て現職。2002〜2003年ロンドン大学客員研究員。Inter-Asia Cultural Studies (Routledge) 編集委員。主著に『文化=政治:グローバリゼーション時代の空間の叛乱』(2003年、月曜社)『ポピュラー音楽と資本主義』(2007年、せりか書房)など。

丸井 淳史 MARUI Atsushi

教授/音響心理学、コンピュータ理工学

音楽を感じ理解するのは、人間の耳と脳そして心です。人が音を聴いたとき、それをどのようにして感じるのかを知ることは、音楽制作において大きな助けとなります。音楽はそれを聴く人のために作られるものですので、常に音と人との関係を真中に見据え、心理学と工学の両面から接近していきたいと思います。

ペンシルバニア州立大学M.Sc. (Computer Science and Engineering)。福島県立会津大学大学院博士(コンピュータ理工学)。マギル大学大学院音楽学部サウンドレコーディング領域博士後期課程単位取得満期退学。2006年9月に音楽環境創造科着任。専門は音響機器のためのデジタル信号処理および音響心理学。

http://www.geidai.ac.jp/~marui

亀川 徹 KAMEKAWA Toru

教授/音響学、録音技術

音とは何か。音響や録音技術を学ぶことで、音についての理解を深め、音楽や音を用いた表現のために必要な能力を養います。マイクロホンやミキサー、録音機といった録音に関するさまざまな機材の扱い方を習得し、音楽・音を録音するための基礎技術を踏まえた上で、インターネット、放送、映画などの様々なメディアにおける音表現の可能性ついて考察していくことをめざします。また22.2マルチチャンネル音響など最先端の音響技術についての研究を通じて、将来への音の表現手法の可能性を探っていきたいと考えています。

九州芸術工科大学音響設計学科卒業。日本放送協会(NHK)にて番組制作業務(音声)に従事し、N響コンサートなどの音楽番組を担当するとともに、ハイビジョンの 5.1 サラウンドなど新しい録音制作手法の研究に携わる。2002年10月より音楽環境創造科に就任。著書に『音を追求する』(2016年、大橋、佐藤編、共著/放送大学教育振興会)、『音響技術史』(2011年、森、君塚、亀川共著/芸大出版)、『サラウンド入門』(2010年、沢口、中原、亀川共著/芸大出版)などがある。AES、日本音響学会、日本音楽知覚認知学会、日本オーディオ協会、日本音楽スタジオ協会会員。博士(芸術工学)。

熊倉 純子 KUMAKURA Sumiko

教授/文化環境

音楽におけるアートマネジメントというと、市場原理に基づくポピュラー音楽のマネジメントや、クラシックを主とした音楽ホールの運営などをイメージする人が多いと思います。しかし、私はこの新しい学科では、そうした既存の華やかなマネジメントの世界より、もっと多様な表現の価値にいろいろな人 びとが出会えるような場のアレンジを探求してみたいと思います。地域社会でのワークショップ、市民参加の文化支援、NPOによるアートマネジメントなど、 次世代の社会と表現の関係を創造できるような、多彩な人材を育てる場になればと考えています。

パリ第十大学、慶應義塾大学文学部仏文科および美学・美術史学科卒業。同大学院修了(哲学専攻)。1992年から2002年まで(社)企業メセナ協議会に勤務。企業のメセナ活動から地域型アートプロジェクトなどの研究・開発に携わる。専門は文化支援、アートマネジメント。