東京藝術大学 音楽環境創造科

2022年度学科説明会Q&A

このQ&Aは、説明会当日の質疑応答と、事前に寄せられた質問の概要をまとめたものです。

1. 授業や履修について

Q.美術学部開設の交流科目にはどんなものがありますか?

A.音楽学部にいながら、いくつかの美術学部の科目を履修することができるのが交流科目です。

たとえば生物学、倫理学、哲学、建築史、写真表現など、専門的な科目を噛み砕いた授業を受けることができます。音環生でも美術の科目を必ずとることが卒業要件に含まれています。

Q.副科楽器としてシンセサイザーや電子オルガンなどの電子楽器は学べますか?

A.電子楽器の演奏技術を学ぶ科目はありませんが、サウンドシンセシスという授業でシンセサイザーの仕組みを学ぶことはできます。

2. プロジェクトや研究・制作について

Q.音大以外の他大学との共同研究は行なっていますか?

A.学生個人で他大学生と共同制作する場合もありますし、ゼミ単位で共同で行うこともあります。

例:

(熊倉研究室)年に一回慶應大学・東京大学・青山学院大学・九州大学・立教大学などと合同でインターゼミを実施しています。

(毛利研究室)学生同士で合同ゼミを開くことがあります。

(後藤研究室)最近ドイツの大学との交流・共同研究が始まりました。

Q.作品作りの際、選んだプロジェクト以外の生徒と共同制作することは可能でしょうか?また、プロジェクトで作った作品はアートパスなどで展示・演奏するのでしょうか?

A.他のプロジェクトの学生との共同制作は十分可能です。プロジェクトごとに発表形態が変わるため、プロジェクトごとの判断になります。もちろんアートパスで展示・演奏することもあります。

Q.説明会の中で、他の学部の学生などとコラボレーションをする場合、自分で表現する必要はないという話があったが、音楽環境創造科のカリキュラムの中で自分で表現したものをプロデュースする機会はありますか?また、そのようなプロデュースに必要なスキルを身につけることは可能でしょうか?

A.学生の持つ資質とプロデュースの対象にもよりますので、一概にはお答えできませんが、たとえば毛利研究室の学生の中には、自分で脚本のようなものを書いている人がおり、そこから舞台を作る過程でプロデュースもしている人がいます。また、アートパスなどの機会を通して自分の活動を世の中に開いていくことで、何が難しいのかを身をもって体験し、セルフプロデュース能力を身につけることができます。アートパスは学園祭ではなくプロジェクトの授業の成果展であり、アートプロデュース専攻の学生にプロデュースを任せるのではなく、全ての学生にセルフプロデュースが必要になる、ということを考える機会にもなります。アートパスや卒業研究展といった学内イベントの運営や出展はサークル活動とは異なるので、ではないので、自身の研究を最終的には論文という形で出して、作品がどういう意味を持っているのかを考えること、またそれを社会に開いていく過程の記録や文脈化を行うことも必要になります。

その後自分で外部資金を獲得できるようになる人もいれば、やっぱりプロデュース的な仕事は苦手という人もいるので、さまざまです。資質を見ながらアドバイスしていきます。

3. 留学や卒業後の進路について

Q.毎年どんな理由でどんなところに留学する人がいますか?

A.ロンドン大学やニューヨーク大学などに留学した学生がいます。

理由は一概には言えませんが、主に以下の2つです。

1つ目は、音環で学んだ専門分野と連続性のある分野で引き続き学びを続けるというもの。

2つ目は、音環で基礎を学んだが、少し異なる分野にチャレンジしたいというものです。

Q.ソウル大学との単位互換留学はありますか?希望した場合の選考基準、留学期間を教えてください。

A.交流協定は結んでいますが、単位互換という形は取っていません。留学するのであれば、交換留学という形で芸大の方を休学する形になります。

Q.卒業後の主な進路は就職ですか?アーティストとして活躍する卒業生もいますか?

A.進学、就職、アーティストとして企業に属さずフリーランスで活動する人がそれぞれ3分の1ずついる、というような目安です。ここ1-2年はコロナの影響もあり留学が少ないですが、学内・他大学への進学は変わらず多いです。

Q.進路について。主な就職先に支援系とありましたが、公務員になって文化支援の仕事に就く人が一定数いるのでしょうか?

A.国家公務員になった人はいます。地方では、行政の中で芸術と社会を繋ぐ人材が専門職として採用されることもあり、重宝されているように思います。任期付きから本採用になったパターンもあります。

4. 学生生活について

Q.治安や下宿生の生活費、下宿生の通学時間はどの程度ですか?

A.千住や綾瀬だと、一人暮らしのアパートの相場は月70,000円程度です。上野の方へ行くと少し高くなり、松戸の方だと55,000円くらいだと思われます。どこに住むかによって生活費や所要時間も変わってきます。

大学の寮は千住までは30分、上野までは40分くらいで行ける立地にあります。

足立区は治安が悪いというイメージがありますが、千住地域は大学が増えており、現在は6つ目の大学ができ、文京区のような街になりつつあります。

5. 入試について

Q.自己表現でプレゼンテーションをしようと思っていますが、プレゼンテーションをした合格者はどのような発表をしましたか?

A.入試の内容は外に出さないことになっているので、回答できません。

Q.2次試験の自己表現と面接について資料を用意したいのですが、審査員は何名いらっしゃいますか?

A.はっきりとはお答えできませんが、だいたい5-8人くらいです。多めに用意していただいたほうが良いでしょう。

Q.大学共通テストの情報科目について

A.国立大学では2025年度から導入とはいわれていますが、藝大としての対応はまだ決まっていないため、決まり次第入試サイトなどに掲示される予定です。