generative errors / 林紀子

インスタレーション

コンピューター、TV、カメラなど、私たちが日常的に使用する機器の多くは、常に自分自身のなかに文字や画像、映像を取り込み、それを解読し、処理することで自身の役割を果たしている。つまり私たちの使用する「記号」の翻訳装置として、さまざまな機械は動作しているのだ。その過程で伝達されるものは「データ」と呼ばれ、データが人間の意図するように伝達されなかったり、意図したように動作しない場合、「エラー」や「バグ」などと呼ばれる。このように不本意に生成されたデータは人間にとって疎まれていることが多いが、私はあえて、コンピューターが動的に環境を生成する過程を眺めることを試みた。コンピューターのアルゴリズムによって生じるデータやエラーは、機械による「翻訳」のあり方であり、新しい解釈ではないだろうか?エラーやバグは時に、さまざまな物事を再認識するための装置となるに違いない。

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